■今池 20:00
 Q極ハイパーメロス状態で春日井の市街地を駆け抜ける。先ほどまで、眼前に三途の川を見ていたとは思えないがむしゃらな走りっぷりであった。内津峠のチョコレートの副産物である口内血ぶくれも、走りながら舌で圧迫して潰した。口の中に不快な鉄の味が広がったので、近くの植え込みの中に血液混じりの唾液を吐き捨てた。それはもう、ブルース・リーのように。

 猪突猛進のかいあって、春日井から今池までは1時間あまりで移動した。思い返せば12時間ほど前、懐中電灯とミルクティーを購入した街である。繁華街、金曜の夜という事もあり、かなりの人が出ていた。この人たちは、私が酷道に喘ぎ、峠道に涙していたときも、このコンクリートジャングルの中で生活を続けていたのだろう。

 近年、自然の保護が声高に叫ばれる。他方で、先祖代々数百年も面と向かって自然と付き合ってきた人たちは、「自然は半殺しにするのが良い」という。

 天地は悠久にして、その前で人は、あまりにも卑小である。人はこれから、自然というものといかにして向き合っていくべきなのだろうか。ふと、そんなことを考えた。綺麗にまとめようとかそういうことじゃなく、本当にそう思った。

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