ホンコン・シティ

Hong Kong

 前日ホテルにチェックインしたのはすでに午前3時になろうかという時間だったと記憶している。そのためさすがに翌朝の動き始めは少々遅く、10時を過ぎた頃から香港渡航に向けて動き出す。マカオそのものは比較的狭いエリアなので、カジノに入り浸るのでもなければ途中に香港観光でもはさまないとすることがなくなってしまうようである。

 香港‐マカオ間は海上を高速船「ジェットフォイル」で移動する。世界地図上で見る二都市間の地図は、日本国内で見ると京都‐大阪間相当程度の距離に見える。別の地図では名古屋‐京都のようにも見える。高速艇はこれを50分弱で移動するのだ。船内の様子はなかなか小奇麗で、乗客には観光客とも地元民ともつかない中国系の人も多い。そういえば船内テレビでは「欽ちゃんの仮装大賞」が放送されていた。欽ちゃんの登場場面はバニーガールよりも少なく編集された仮装者が主役のバージョンだった。同番組が当地でも人気なのか、日本人観光客向けのセレクションなのかは定かではない。利用状況から察するに、この高速船、あるいは日本で言う新幹線ぐらいの感覚の乗り物なのかもしれないが、日本からの観光客たちはここで香港の「入国」に使用する書類を書かされることになる。不備があるとイミグレーションでのトラブルにつながるので、これもまた気苦労だ。

 香港とマカオの中国内での立ち居地は比較的似通っているけれど、その玄関口の印象はずいぶん違う。高速船は九龍半島と香港島の間の海峡に入り込み半島側の港に接岸するのだが、九龍半島側にせよ香港島側にせよ超高層ビルが異常な密度で密集しているのが分かる。「異常な密度で密集」という言い方は表現的には少々くどいような気もするけれど、しかし香港特有の街並みを言い表すにはこのぐらい「密」という言葉を繰り返すのがちょうど良い。このビル群が、何十年か何百年後かにサイコガンダムによって蹂躙されるわけだ。

 俗に香港と呼ばれるのは、香港島と周辺の島々、九龍半島に新界を合わせた地域で、正式国名は中華人民共和国香港特別行政区である。清王朝とのアヘン戦争に勝利したイギリスにより、間に日本の占領時代を挟みながら20世紀のほぼ全期間に渡り租借地とされ、1997年に中国へ返還された。一応中国の一部なので元首・国歌などは中国と共通だが、その政体は一国両制、いわゆる一国二制度の形をとっており、独立国家に準ずる存在となっている。中国側はこの体制を返還後50年は保障するとしているものの、中国側からの香港に対する干渉は陰に陽に強まりつつあると言われている。香港の人は自分たちの事を香港人と呼び、中国本土に住む人たちを中国人と呼んで明確に区別している。誤解を恐れずに言えば、中国を後進国、中国人を田舎者と見ているようなニュアンスも感じられる。同様の傾向はマカオの人たちにも見られる。

 面積は1098平方kmで、ここにおよそ680万人の人が暮らしている。面積・人口ともに東京都の約半分ほどだが、平地は東京ほど多くないため、局所的な人口密度は東京をはるかにしのぐ事もある。その現れの一つが、例の超高層ビル群というわけだ。そう言えば、香港の名物と言えばダブルデッカーバスもその一つに上げられる。この街ではビルのみならず、バスまでも縦長になるらしい。

 通貨は香港ドル。ただしアメリカドルとは日本円との交換レートがずいぶん違うので注意。私の訪港時で1HK$=17円だった。公用語は広東語、北京語、そして英語となっているので、漢字が読めて一応英語教育も受けている日本人にしてみれば言葉はかなり分かり易い。結構面倒なのがイギリス時代からのチップの習慣が残っている点だ。特に厄介なのは、下世話な話だがチップの必要なトイレが存在する事だ。実質的な有料トイレである。金を持っていなければおちおち用もたせない。まあチップの習慣はエチケットの範疇に属するものなので、最悪の場合は不作法を承知でノーチップを通す事も出来なくはないのだけれど。




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