澳門現在過去未来

Templo da Desua A-ma (Macau)

 ポルトガル料理と中華料理を折衷させたマカオ料理とでも言うような昼食を摂った後は、媽閣廟(マーコウミュウ)へ。土地の人はこの寺院の事を「マーカー」と呼ぶそうだ。その昔、媽閣廟近くの海岸に上陸したポルトガル人は、近くにいた地元の人にここはなんと言う土地かを尋ねた。本来この辺りは澳門(オウムン)と言ったのだけれど、尋ねられたその人は「マーカー」と、寺院の名前を答えたと言う。これがマカオと言う地名の起こりだというのが現地ガイド氏の言。この話が本当ならば、どう逆立ちしても澳門をマカオとは読まないわけだ。

 どうやら媽閣廟に祀られているのは海の守り神らしい。女神様で阿媽という名前だ。昔、貧しいなりの少女の姿である船に乗せてもらった阿媽は、船が嵐にあった時その舳先に立って船を嵐から守った。少女はマカオの港に着くと女神の姿に戻ったと伝えられ、漁民を中心に信仰を集めるようになった。ただし、境内にある4つの廟のうち、一番上に祀られているのは観音様である。

 香港の黄大仙もそうだったけれど、こっちの寺院は猛烈に線香をたくものらしい。ご多分にもれず媽閣廟も白いもやに包まれているのだけれど、さらに強烈なのは線香から舞い上がる火の粉で衣類に穴が開くと言う話だ。シルクやポリエステルなど、燃えやすい素材なら簡単に穴が開くという。もっとも、「穴が開くから気をつけて」とガイドさんから注意喚起されたのはシルクだけだったけれど。廟は20〜30メートルほどの高さに見える丘に建っており、石段によって上部へと登って行く造りになっている。途中、水を張ったプラスチック製のたらいに紙幣が浮かんでいたりする。何となく鎌倉の銭洗い弁天を彷彿とさせるが、入れ物が入れ物なだけにもう一つありがたみがない。また廟を訪れる善男善女を当て込んだものか、境内には物乞いもいるが、物売りと違って執拗にまとわりついてくる事はない。

 媽閣廟の後、すぐ近くにある港務局へ。別に事務的な手続きの必要に迫られたとかではなく、これも観光の一環である。現在港務局として使われている建物は、ポルトガルの植民地時代からの建物で、これもセナド広場周辺の建造物と同様にコロニアルな雰囲気を漂わせている。雰囲気はあるが観光スポットとしては少々小ぶりな印象も同様。

 マカオ観光の締めとして向かったのは東京タワーより若干高く、世界では10番目に高いという338mのマカオタワー。どうも電波塔と言ったようなものではなく、2001年にカジノ経営を行う会社が客寄せのために建てたらしい。香港にしろマカオにしろ、日本と違って地震がほとんどないため、建物の高層化は比較的に容易なのだ。単に天に向かって高く伸びるばかりでなく、奇抜な形の超高層ビルもしばしば目にする。

 マカオタワーの地下にはやっぱりカジノがあるのだけれど、もちろんメインは展望フロアである。ここの高さは220mほどになる。視界は360度に開けているため、山陰などを除いたマカオの主要部分を一望の下にできる。ここではバンジージャンプに挑戦できるほか、塔の外面に設けられた梯子を上っていくアトラクション、ワイヤーでつるされて塔の下まで下ろされていくアトラクション、手すりも何もない吹きさらしの塔の外周部を歩くアトラクションなどに参加できる。ちなみに、ゲームとして過激なものほど参加費用が高くなる。一番難易度の低い「スカイウォーク」に関しては、参加者がひっきりなしの状態らしく、行けば誰かが歩いているような気がする。バンジージャンプも、しばらく展望フロアに留まっていれば挑戦者が現れるかもしれない。

 問題は、英語を話せない従業員が少なくないらしいこと、経営側の運営ノウハウが日本のサービス業に比べて格段に見劣りすることか。もっともマカオの場合、全般にサービス業の水準は低く、海外からの観光客を相手にするそれなりのランクのホテル以外に関しては行き届いたサービスを期待しない方が良い。とまれマカオタワーでは複数基あるエレベータのうちの1基が故障しており人の流れが悪くなっていたのだけれど、運営サイドの仕切りの悪さで上ろうとする客・降りようとする客共に必要以上の大渋滞を来たし、それに巻き込まれたためえらい目にあった。英語を話せるスタッフがおらず、事態が良くわからぬままエレベータ前で待たされる状況には非常にストレスがたまった。

 さて、マカオタワーに併設のカジノはマカオでも最新鋭の設備を備えたカジノらしい。どこがどう違うのか。かなりの部分に渡って機械化・電子化が進んでいる。ディーラー役もコンピュータが行っている。これが現時点で予想し得る将来のマカオカジノの姿の一つだ。カジノディーラーがマカオの花形職業である事は先述したが、どうやらカジノを愛好している現地ガイド氏によれば、目先の収入に幻惑されて今からディーラーの職についても遠からずコンピュータに職を追われるのではないかとの事。プログラマを生業にしていた人間としては複雑な気分になる。




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