個人差があります

 一体誰が、いつ頃から言い出したのかは知らないのだけれど、世の中には「モテ期」という概念が存在している。文字通り、人生において普段以上に異性からもてるようになる時期のことで、その性格上普段からモテモテのモテ男&モテ子には関係がなく、専ら凡夫にのみやって来るものらしい…。

 自サイトで初めてそんなことを言ってから1年ほどになる。当時Googleで検索してみたところ「モテ期 の検索結果 約 28,600 件」という結果が返ってきたようだが、今同じことをしてみると実に約 134,000 件がヒットしてくる。モテ期に対する巷の関心はこの1年ほどでますます高まったようだ。ま、Google検索も総ヒット数の変動幅はかなり大きいから、この数字だけを指標に世の関心度を図ろうと言うのは無謀なものとも言える。とまれ惚れた腫れたの話は人間にとって永遠の関心事の一つであり、恋愛至上的な昨今の風潮を受けて台頭しただけの説でもあるまいが、言葉の持つ軽薄な響きからバブル期前後に言われ始めた話のような気もする。四柱推命などの古い占いをどこかの雑誌がデフォルメして始まったものだとか、そのように思うこともあるけれど、いずれにせよ大した根拠はない。

 さて、初掲当時の私が注目したのはモテ期の存否そのものではなくて、専ら「モテ期は人生に3度」という言説(もしくは伝説)だった。当時の検索結果だと、何をおいてもまず「大手小町」の「モテ期は人生で2回だけ」という情報が目にいたようだが、今ではGoogleの方がモテ期の関連検索の候補として「モテ期 3回」と言う情報を提供してくれるほどだから、「モテ期は人生に3度説」はかなり隆盛を極めているようである。

 そういう経緯があって、前回モテ期の記事を書いてから、事あるごとに「人生でモテ期は何度やってくるのか?」を人に聞いて回った。この設問自体が日常生活で持ち出すにはいくらなんでも唐突に過ぎるものであるため回答を得た母集団が小さいのは御了承願いたい。曲がりなりにも統計を取った範囲では、「3回」と答えた人が6人、「1回」が3人、「5回」、「何度でも」、「そんなものは存在しない」が1人ずつとなった。聞き取りと言ってもほとんど思いつきでやっているようなものだから具体的な数値データとして残らなかった回答もいくらかはあったが、その中でも「3回」という回答があったことは印象に残っている。10人聞いて5人ほどの割りだったか。

 手近なところでは口裂け女の情報なんかを例に考えると分かりやすいのだが、民俗系の領域では、3はマジックナンバーとしてよく知られている。どういうわけか、民話や伝説の類では3と言う数字が好まれるのだ。モテ期の発想が一種の信仰というか俗信のようなものであると考えれば、モテ期を一生に3回とする考え方が優位なのもさほど突飛な現象ではない。なぜ3が好まれるかについては、もっともらしい説明も色々とあるが、それほど簡単に「これだ!」という理由も見つけられるものではない。

 そういった民俗学的背景を別にすれば、なぜモテ期が3回だとされているのかについては、「人間のライフサイクルの中で交友関係が大きく変化する契機が3回あるから」と解釈している人もいるらしく、これはこれで説得力がある。もっとも、その推理は「モテ期は確かに存在する」という前提の上での話になるのだが、世の中にはモテ期などと言う概念そのものが都市伝説の域を出ないと息巻く一団もあり、回数はともかくもモテ期体験を語れる人はそれだけでも恵まれた身分であると知らなければならないのかもしれない。






















100MB無料ホームページ可愛いサーバロリポップClick Here!