利用されるうわさ

 以前にブログの方で「ウッチャンナンチャンは創価学会に睨まれ、潰された」というような内容のうわさをネタにしたことがある。当該記事のPV数は、現在でも結構な伸びをみせている。正確には把握していないが、拙ブログではもっともPV数の多い記事だといって良いだろう。世間一般に認知された話というよりは、一種のネットロアに分類される話のような気がする。たぶん、押しなべて創価学会とは敵対的な雰囲気が支配する「2ちゃんねる」の存在が影響しているのだろう。問題のうわさが、2ch・ニュース系の板を中心に、しばしば事実として引き合いに出されているのを目にする。

 ブログで紹介したのは、こんな感じの話だ。すなはちウンナンの番組が相次いで終了し、その後番組がいずれも久本雅美の関係する番組だった事を根拠に、「ウンナンは創価学会によって干された」というのだ。半ば公然の秘密となっている感のある話ではあるが、久本は創価学会の芸能界部門のようなところの幹部であるとされてる。もう少し詳しく説明をしよう。

 久本は狂信的ともいえるほど熱心な学会員である。その彼女が、ある時の番組の共演者に学会への入会をかなり執拗に勧めていたのを見て、ウッチャンが「信仰は自由だが無理強いは良くない」と久本をたしなめた。その場はそれ限りで終わったのだが、この出来事が創価学会によるウンナン潰しにつながったとされる。ウンナンの冠番組だった「気分は上々」「炎のチャレンジャー」は相次いで放送終了となったのだが、「上々」の後に始まったのは久本が司会の「恋するハニカミ」であり、「炎のチャレンジャー」の人気企画の一つだったカラオケ一曲歌詞を見ないで間違えずに歌い切るシリーズは、久本司会のウンナンがいない独立したスペシャル番組として存続していく事になった。また、「内村プロデュース」が終わったのも学会の干渉によるものだとされることが多い。「内村プロデュース」の後番組も、久本による「私がPだ」だった。

 大筋はこんなところである。確たるソースもないままに語られているストーリーなのだが、厄介なことにこの話は、虚実がない交ぜになった複雑な構造の話である。というより、かなりの部分が事実なのだから妙な説得力があるのだ。久本が創価学会内で相当の地位にあるというのも事実なら、ウンナンの番組が次々終わり、その跡目を久本が襲ったのもまぎれなく事実。ただそのような事態になった経緯のみが一般の目の届かないところにあるから、そこからもっともらしい怪情報が生まれてくるのは、もはや必然とも言える。単純に番組名を並べてみると謎めいた符号のようなものが存在するかのごとく見えるが、各番組の終了時期には結構ばらつきがあり、そのあたりに若干の弱みが見え隠れもする。

 ところで、私が最初にこの話を目にしたのは、やはり「2ちゃんねる」だった。データの保全状態が悪く、書き込み内容そのものしかバックアップを取っていたなったのだが、どうも2006年の始め頃に採取したものらしい。その書き込みによれば、久本の勧誘に辟易したお笑い芸人のおさる(当時)がウッチャンに相談したことが久本との軋轢につながったとされているが、実際にはおさると久本は過去に交際していた事があり、自身も創価大学出身という経歴を持っている。そのためか、現在では同種のうわさについて検索してみると、おさるの勧誘活動を内村が見咎め、そのことが久本に伝わったために干されたとされているのが普通である。

 最初に目にした書き込みが、単なる投稿者の勘違いによるものだったのか、それともある時をもってうわさの内容に若干の修正が加わったのかは定かではないが、仮に後者だとしたら興味深いところではある。それでなくても、創価学会の悪宣伝のために語り継がれているようなうわさなのだから、そういう使用に耐えられるように、登場人物を引継ぎながらディティールを修正するという現象が発生する可能性は十分考えられる。

























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