■DATA
 経路
  初日:名鉄バスセンター-熊本交通センター(高速バス利用)
  初日運賃:11500円

  2日目:熊本-人吉(特急利用) → 人吉産交-鹿児島空港(高速バス利用) → 鹿児島空港-鹿児島中央(空港連絡バス利用) →
       鹿児島中央-重富 → 重富-鹿児島中央
  2日目運賃:5960円

  3日目:鹿児島中央-宮崎
  3日目18きっぷ利用区間運賃:2420円

  4日目:宮崎-延岡 → 延岡-臼杵(特急利用) → 臼杵-大分 → 大分-豊後竹田 → 豊後竹田-大分
  4日目18きっぷ利用区間運賃:4820円
  4日目運賃:2520円

  5日目:大分-竹中 → (バス利用) → 大分-中津(特急利用) → 中津-西小倉 → 西小倉-博多
  5日目18きっぷ利用区間運賃:2690円
  5日目運賃:2520円

  6日目:中洲川端-貝塚(福岡市営地下鉄利用) → 貝塚-名島(西鉄貝塚線利用) → 名島-貝塚(西鉄貝塚線利用) →
       貝塚-博多(福岡市営地下鉄利用) → 博多-名古屋(新幹線利用)
  6日目運賃:19290円


 南への旅立ち

 2009年は転換の年になるのだろうか。転職という文字通りの転機を迎えた時期だった。後になってみなければ、この変化が吉と出るか凶と出るかの答えは出ないだろうが、一つ確かなのは、旧職を辞して新しい仕事を始めるまでの間にたっぷり時間を取ることができたということだ。幸いなことに、資金もそこそこ潤沢である。そこで九州旅行を、それこそ九州を一周するぐらいの旅行を思い立った。

 名古屋から九州を目指す場合、その移動方法には様々な選択肢がある。一番気軽なのは「のぞみ」で博多まで進み、そこを起点にして改めて九州各所に向かう方法だろう。貧乏旅行と言う条件をつけるなら、いつぞややったようにムーンライト九州+青春18きっぷで博多入りすると言う手もある。それよりは高くつくが、夜行バスを使えば九州の主要都市にダイレクトで移動することも出来る。九州各地には空港もあるので、即時性を求めるのならばこれらを利用するのも手だろう。特に鹿児島や宮崎など、博多からの距離が遠い地域ならばいっそ飛行機で行ってしまった方が早く、場合によっては安上がりなのも自明だ。

 しかし私は基本的に飛行機が苦手なので、今回も陸路以外の移動方法はほとんど考えていなかった。さらに、具体的な計画を立てた時期が遅かったせいでムーンライトの指定券を押さえるのを端からあきらめていたこともあり、当初は名古屋駅から博多駅を目指す一番早い「のぞみ」に乗ろうと目論んでいた。もちろんムーンライト九州を利用した場合の方が九州での移動開始時間は早まるのし、その分の遅れは痛いところなのだけれど、指定券の手配が遅れた以上、そんなことを言うのは死んだ子の歳を数えるようなものである。

 幸いなことにのぞみには「のぞみ早得往復きっぷ」というのがあり、往復分のきっぷを前売りで買っておくと乗車賃がかなり安くつくと言う。何にせよ帰りは「のぞみ」を使うつもりでいたのだから「これはこれで良いか」と納得できた。念のためJRバスの博多行きの便についても調べてみた。これを使えばムーンライト九州に準ずる時間に博多入りできるが、価格面でムーンライト+18きっぷの組み合わせには遠く及ばず、コストパフォーマンスは「のぞみ早得往復きっぷ」の方が遥かに高いので早々に選択肢から除外した。

 ところが、ある日地下鉄に乗っていて、名鉄バスならば熊本行きの便があるのを知った。実を言えば今回の旅行、起点こそ博多だが、最初の経由地は熊本県の人吉を想定しており、以降は鹿児島、宮崎、大分、福岡と反時計回りに九州を回るつもりでいた。もちろん最初に人吉を目指すならいきなり熊本まで行ってしまった方が話が早い。特に人吉市は公共交通機関が脆弱な地域で、入るにも出るにもかなりのタイムロスが考えられるから、やはり行動開始時間の早さは魅力ではある。名鉄バスなら熊本に7時台。価格面で博多行き夜行と大差は無い。そして在来線で博多から熊本を目指そうと言う場合、時間は2時間程度かかる気がする。諸条件を勘案すると、ここは熊本行きバスを利用した方が良いだろう。熊本から人吉までは移動手段が限られるため、やむを得ず特急を利用することにする。特急「くまがわ」と言うやつだ。

 だが、さらなる問題は人吉盆地を脱出して鹿児島県の隼人方面に脱出する段階に控えていた。この区間には一応直通の鉄道路線が存在しているのだが、極めて接続が悪く、普通に乗り換え検索をすると八代まで戻って新幹線で鹿児島まで移動するように指示されてしまう。もちろん、八代までの移動もそう容易いものではないし、九州新幹線の終着駅である鹿児島中央駅よりもさらに北の姶良町に初日第二の立ち寄り先・岩剣城跡があるため、できることなら人吉から素直に南下するコースを取りたい。地図で見るだけだと、人吉と隼人の間はさほどの距離も無さそうに見えるため、何か良い手立てがあるのではないかと試行錯誤してみる。一番あてに出来そうなのは路線バスだが、やはりバスも熊本行きが中心で、人吉から隼人方面まで運んでくれるバスは皆無である。しかし、一筋の光明も見えた。鹿児島空港行きのバスも存在していたのだ。おそらくは鹿児島県側と鹿児島空港を結ぶバスもあるはずだから、これを使えば一応大回りをせずに鹿児島へと抜けられるはずだ。果たしてその読みは的中し、人吉から鹿児島への移動方法は、鹿児島空港を中継点にしてのバス移動に決定した。

 鹿児島から宮崎へ向かう場合、数時間に一本程度は直通列車があるようなので、そこについては特に考える余地は無い。以降は、基本的に粛々と列車で九州を反時計回りに進めば良い。途中に一度、日豊本線から外れて豊肥本線で豊後竹田まで進み、「荒城の月」が生まれた地として知られる岡城を見たりする。基本は18きっぷ利用だが、延岡‐臼杵間と大分-中津間に関しては特急を使わないと極端に移動効率が落ちるため、この区間に関してはやむを得ず特急を使うことにした。

 そんなこんなの4泊5日九州旅だ。






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