残り2回の行方

 博多駅には、九州各地の物産品が揃っている。過去二度の九州旅行で掴んだ情報だ。従って、みやげ物はここでまとめて買い揃えるという手もある。今回の私もその作戦で、いよいよ九州を発とうという時に、お土産をまとめ買いした。鹿児島の味・さつま揚げと芋焼酎。博多の明太子とさくらひよ子。大分の関鯖の加工品も欲しいところだったが、さすがにそこまでは博多でも手に入らなかった。

 お土産もそろえたし、もうここで為すべき事もない。いよいよ九州の旅にも終りの時がやってきたのだ。少し感傷的な気分になりながら、帰りの新幹線のきっぷを、名古屋まで買う。途中で乗り継ぐことになるのも面倒なので、博多発東京行きののぞみを待つことにする。のぞみは自由席が少なく、普段の旅なら場合によっては席が空いてないこともあるのだが、さすがに始発駅からそういうこともなかった。悠々と山側の席を押さえ、投げ出すようにしてシートに身を沈めた。

 今回の旅は、必ずしも純粋な18きっぷ旅ではなかった。どちらかと言えば、自由になる時間がたっぷり得られたので九州に出かけようと思い立ち、その移動の補助のために18きっぷを買ったという側面が強い。結果、今回の旅では18きっぷは3回しか使わなかった。逆に言えば、今シーズンはあと2回、18きっぷを使えるということだ。次はどこに行こうか。九州から帰る新幹線の中で、すでにそんなことを考えていた。

 それにしても、2回は帯に短くたすきに長い。そしてまだまだ時間はある。その事に思いが至った時、耳元で悪魔が囁いた。






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