■DATA
 経路
  初日:名古屋-大垣‐米原‐京都 → 京都-福知山(特急利用) → 福知山-豊岡 → 豊岡‐城崎温泉‐浜坂‐鳥取 → 鳥取‐松江(特急利用) 
  乗り放題パス利用区間運賃:4920円

  2日目:松江-宍道‐木次 → 木次-備後落合‐三次‐広島
  乗り放題パス利用区間運賃:4000円

  3日目:広島-福川 → 福川‐大竹 → 大竹-広島‐糸崎‐岡山‐相生‐京都
  乗り放題パス利用区間運賃:9350円

 18きっぷで賄えなかった交通費
  初日 京都-福知山:2390円(乗車券:1450円, 特急券等:940円)
      鳥取-松江:2940円(乗車券:2210円, 特急券等:730円)
      全但バス運賃:?円
  4日目 京都-名古屋:2520円(乗車券:2520円, 特急券等:0円)


 豊岡の残念

 甲信旅行の総括も済んでいないうち出かけることになったのが、後半戦となる山陰旅行である。甲信旅行の際に問題点として浮上した、「メジャーな城や観光地は大方行きつくしたため、アクセス不便なマイナースポット中心の立ち回りになり、明に暗にそのことが悪影響する」という課題を解決するのに十分な時間は取れなかった。それに加えて、今回の旅は概括的に見て、その企図するものがこれまでの旅行の落穂拾いのようなところにあったため、より一層多難な旅となったことは否めない。

 初日に目指すのは、島根県の県都・松江市である。最近の旅行では夜行バスにより朝一番で乗りつけることが珍しくないが、今回については名古屋駅を始発で発ち、山陰線沿いにいくつかの宿題をやっつけながら進むことになった。上郡から智頭急行線に入る特急か、岡山からの伯備線でないと1日で松江につくのは難しいかに思われたのだが、最速で出発し、丸一日を移動に費やすのに近いスケジュールをひけば、山陰線経由でもどうにかなるものらしい。

 最初に目指したのが、兵庫県北部の街・豊岡市だ。但馬地方を中心に展開するガソリンスタンドのチェーン・加藤商店の店舗に立ち寄るのが半分、この地方の有力戦国大名であった山梨の城郭・此隅山城に寄るのが半分の経由地である。城はともかく、ガソリンスタンドによることになった経緯については少々の説明が必要だろう。その因縁は、昨年の同時期の山陰旅行に遡る。

 昨年の旅行は、兵庫県豊岡市を基点に、鳥取やら丹後やらを車で回るものだったのだけれど、レンタカーの常で、店に車を帰す前に、ガソリンを満タンにする必要があった。そのため、店舗近くにあったこの系列のセルフスタンドに入ったのだが、2000円強分の給油を済ませて、支払機に万札を投じたところ、お釣り全額が系列店でのみ使えるプリペイドカードに化けてしまった。きちんと画面を見ずに操作をしたため、現金でお釣りを出す術があったのか、問答無用でカードにされてしまうシステムだったのかは定かではない。後者だとしたらあまりにも理不尽な仕打ちではあるが、ともかく、時間に余裕がなかったため、これの換金を捨てて車を店に返し、豊岡を去ることになった。おかげでその時、予定していた列車には本当にギリギリのタイミングで乗り込むことは出来たのだが、今回一年越しでこの時のプリカを換金しようと目論んだわけである。

 結果、換金には成功した。給油もしない客が、換金だけ請求してきたのを怪訝に思ったのか、対応してもらった老店員の対応が若干つっけんどんだったのにはむっとしたが、いつまでも持っていたって仕方のないカードを、とにかく処分できて良かった。

 とは言え、なんぼなんでも、プリペイドカードの換金目的だけで豊岡に立ち寄ろうとは思わなかったかもしれない。やはり城攻めあってこその豊岡下車である。此隅山城は、3年前の春に攻略した出石城・有子山城の源流とも言える城で、場所も出石の町の北方数km程度のところにある。実は昨年の山陰攻めでも攻略目標に掲げた城だったのだが、その時はレンタサイクルによる攻略を目論み、結局事前の調査不足により不首尾に終わっている。

 今回は路線バスによるアクセスで、万全を期し、死角はなくしたつもりだった。プリカの換金も成功して気をよくしていたのだが、好事魔多し。バスが意外と複雑なルートを走ったため、下車するタイミングを逸し、最終的に終点である出石まで行ってしまった。その状態から深追いすると、後の旅程に深刻な悪影響があるため、結局今回も攻略を諦め、出石界隈を漫然と歩いて終わった。こんな経緯で訪ねたのでなければ、出石はいいところなのだけれど、間に合わせだったのが祟り、これと言う見所もなく通り過ぎていった感じだ。

 二度の敗退を喫した城は、ここが初めてである。






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