■DATA
 経路
  初日:名古屋-春日山 → 春日山-金沢 
  二日目:金沢-大聖寺 → 大聖寺-福井 → 福井-一乗谷 → 一乗谷-名古屋
 通常時運賃総額(2日間):13280円


 1泊旅行に踏み切る

 電車旅の悲喜こもごもを私に思い知らせた「青春18きっぷ・春の変」から、早いもので4ヶ月が過ぎようとしていた。前回少し触れたとおり、この18きっぷというヤツは年間通して三回発行されるもので、1年12ヶ月を3で割ればちょうど4で割り切れる。そうなのだ。毎年8月は18きっぷ夏版の季節なのである。春のときに決して楽しいばかりではない思いを味わったはずの私も、半ば惰性でこれを買ってしまった。

 前回分旅行記を読み返そうという酔狂な方ならお分かりになると思うが、春の時には計画だけ立てて実行には移さないままお流れになってしまった旅行案が幾つかある。新潟・春日山(上越市)行き、東京行き、三重行きあたりがそれである。そういう意味で今回は候補地の選定こそ楽だったが、前回の未処理分案件は伊達に未処理で終わったわけではない。要するに、中途半端な魅力しかなかったり日程が強行軍になったりと、いろいろな問題点をはらんだ計画だったのだ。特に強行スケジュールと言うことで見れば、その最たるものが新潟行きだったのだが、東京行きや三重行きに比べれば魅力のある案だったため、18きっぷ旅夏編は、とりあえず新潟行きから着手することにした。

 春にこの新潟行きを検討した際には、どうやら実現可能なスケジュールなのではないかと錯覚してしまったが、今回改めてその計画をつめてみて、それが画餅にすぎなかったことを痛感させられた。かなりの無理をすれば一日で行って帰ってくることはギリギリ可能な場所なのだけれど、時間的な都合からかねてよりの宿願であった上杉謙信の居城・春日山城を訪ねることなど思いもよらなかったのである。そこで今回は早々にシャッポを脱いで、1泊2日の行程にすることとした。途中、旅行記コンテンツではたびたびお世話になっている旧友・マスターを巻き込んで長野から新潟にかけてを周遊するプランに変更しようかとも目論んだが、マスター側が極めて多忙だったため、徹頭徹尾の一人旅に落ち着いた。

 経路としては、名古屋駅を出て中央線で松本まで向かい、そこから篠ノ井線で長野駅に出る。さらに信越本線春日山で途中下車の直江津行き。直江津から今度は北陸線で古巣金沢に入り、一日目を終了。翌日金沢を発ってからは、途中で大聖寺城をつまみ食いしながら福井を目指し、福井からは越美北線(九頭竜線)で一乗谷に向かい、全国屈指の戦国遺跡・越前一乗谷朝倉氏遺跡を訪ねる。そこまで終えたら後は敦賀-米原と経由して東海道本線で名古屋に帰る。全行程を通してみると、中部日本を囲い込む巨大な円環を描くことになるわけだ。春には中央線の鶴舞から塩尻までを往復しているし、名古屋と金沢を結ぶ特急しらさぎなどは一頃盛んに利用したが、それ以外の多くの区間は一応今回が初体験となる。普通に乗車券を買って同じ行程を行く場合に比べてどの程度お得かをあらわす数字・「青春キルレシオ」(私の勝手な造語なので念のため)は、初日が2300:8400、2日目が2300:4880となる。2日目は並みの水準だが、一日目はその行程の大半を電車移動に費やすだけあってかなり優秀な数字であると言えよう。






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