■DATA
 経路
  初日:名古屋-黒姫 → 黒姫-金沢 
 通常時運賃総額:8820円


 おやきを食べに

 おやきは長野の郷土食だ。知ってる人は知っている。そのおやきの製造元に西澤という店がある。長野近郊に何店もあるおやきの店の中では特別抜きん出た存在と言うわけではないようだが、2年前の夏に、やはり18きっぷで旅したときに、長野の駅で西澤のおやきを食べて、なかなかの当たりだった記憶がある。それをこの夏、再び食べてみたくなった。それと同時に、あの夏、近くを通り過ぎただけの野尻湖でナウマンゾウ博物館に食指が動いたのを思い出した。18きっぷはもう1回分残されているし、あの時と同じルートを辿りながら、あの時とはちょっと違うスポットに立ち寄ってみようかと考えるようになった。つまり、名古屋から木曽谷を通って信州に入り、そこから新潟を経由して日本海沿いに敦賀まで移動、その後米原で東海道線に乗って名古屋に帰るというルートである。当初1泊2日の旅で、宿泊地を金沢にしようと言うところまであの夏の旅行を踏襲しようと考えていたのだが、前々から実行したかった能登半島ドライブも捨てがたかったため、全2泊3日、1日目で金沢まで移動し、中日で能登半島観光、最終日に名古屋に帰る計画を立てた。移動距離との兼ね合いを考えて、18きっぷは初日で使い切ってしまう事にする。

 2007年9月9日。鶴舞駅を出る一番早い中央線中津川行き列車に乗り込む。18きっぷを使っての移動なので、もちろん鈍行で移動する。鈍行移動の場合、少しでも早く行動開始するのが自由時間を多く取るための鉄則なのだが、名古屋発の塩尻方面行き中央線は6時半前が最初であるのに対し、なぜかそれよりも30分以上も早い神領始発の列車があって、これに乗ると名古屋を6時に出る場合よりも常に1時間先行して行動が可能になる。神領駅があるのは名古屋の隣、春日井市である。

 前々からそういう列車の存在は知っていたのだが、やはり1時間の差は大きいので、早朝に神領まで自力移動しそこから電車に乗り込むというプランはどうかと検討してみた。というか実際に自転車で神領駅まで走ってみて、それが有りか無しかを判断してみたのだけれど、この案はNGとなった。おとなしく鶴舞から中津川まで進み、中津川から先は松本行きの列車に乗り換える。神領始発に乗れなかったのがまずかったか、松本行き車両には多くの人が乗り込み、座席シートはほぼ埋め尽くされていた。車内マナー啓発ポスターに「私より 疲れてますか その荷物」と言う川柳があり、これはこれで正鵠を射ていると感心したのだが、この時の車内には座席を占拠する不届きな荷物はいなかったはずである。松本まで、約2時間の道のりを立ちっぱなしで移動することになった。まあ、今こうして2時間と言う数字を文字化してみると、中津川から松本までは案外近い様な気もする。

 松本での乗り換えに伴って、少しばかり空き時間が出来た。どうせなら松本城でも見に行きたかったのだが、さすがにそれほどの時間は作れず、駅構内をうろうろしただけで終わってしまう。今年の大河ドラマが甲信を主要舞台にした「風林火山」なだけあって、駅には大河に引っ掛けた観光ポスターが目に付く。もっとも「風林火山」の題材を考えれば、松本が属する筑摩地方はドラマの中にはさほど登場するまい。諏訪御料人の出身地・諏訪地方、上杉謙信との決戦地となる長野地方の方が、大河特需の恩恵には預かりやすそうな気がする。

 松本滞在時間はあっという間に過ぎ、篠ノ井線で長野を目指す。今日はとにかく、最初の下車駅黒姫駅に着くまでは、2年前の旅をなぞるような行程が続く。日本三大車窓・姨捨駅に止まり、珍しいスイッチバックで長野を目指す道のりも2年前に経験済みだ。そういえばあの時、たまたま乗り合わせた鉄道マニア氏の言い間違いだと思っていた「日本三大車窓」と言う単語は、一般に認知された正しいものだったらしい。そうは言ってもまだ違和感があるのだけれど。

 ちょうど12時頃、長野駅に到着。ここから先は信越本線での移動となるが、列車本数の少ない区間であるため、再び待ち時間が発生。ちょうど食事時だし、そもそも今回の旅の目的の一つが、「長野に行って西澤のおやきを食べる」と言うものだったから、改札を出て長野駅のコンコースへ。2年前の記憶だと、西澤は独立店舗を持たず屋台のようなスペースで店を開いていたような気がしていたので、果たして今回も同じ場所で同じように商売をしているか少々気がかりだったのだが、幸いおやき西澤長野駅出張所は2007年夏も健在であった。店番のおばちゃんはあまり商売に熱心でないと言うか、接客業従事者としての練度が少々低いらしく、客あしらいよりもおしゃべりのほうに熱心な印象を受けたが、その内輪での話を盗み聞きしていると十数種類はありそうな具のバリエーションの中ではかぼちゃが良く出ているらしい。とは言え、やはり自分の食べたいものを食べるのがよかろうと言う事で、しいたけとあんこをチョイス。今にして思えばあんこをりんごに変えても良かったかもしれない。なぜなら前回の時も、私はここでしいたけ・あんこを買っていたらしいからだ。ちなみにその前は野沢菜・あんこである。毎度毎度変わり映えがしない。一つ前回から変わったことはといえば、立ち食い店程度のものながら蕎麦屋を見つけたことだ。おやきはおやつと言うことにして、昼食には蕎麦を選んだ。やはり長野と言えば蕎麦なのか、安手の店と言う印象ながらかなりの賑わいだった。






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