神戸の街

 神戸と言うとどうしてもあの震災が思い出される。生まれてこの方、都市があそこまで徹底的に破壊された様を見たことがない。いや、世界中を見渡せば巨大な地震災害は数年に一度程度の頻度で発生しているだろうし、被災地の様子を中継した映像も見ているはずだ。それら海外の映像を対岸の火事として見ていただけのことなのかもしれない。神戸の震災に関しては、当事者意識を持つとまでは言わないにしても、他人事で済ますこともできない。阪神地区の地理には決して明るくないが、芦屋という地名くらいはわかる。神戸の街中に進むにつれ、何か居た堪れない物を感じるようになっていった。神戸の高級住宅地だ。列車の窓から空き地が見えるたびに、それが震災によって生まれた空き地なのではないかと考えてしまう。

 神戸の街は、港でもっているようなイメージを持っていた。しかし、三ノ宮駅で電車を降りてみて、かなり近くにまで山が迫っている事に気付く。ちょうど2年程前には車で国道2号線を走ったが、夜だったので周りの様子が何も見えていないかったようだ。実際には、山と海に挟まれて、平地がさほど広くはない街なのかもしれない。日本国内では関東平野についで、ひたすらに平坦な濃尾平野に暮らしている人間には、猫の額のようなこの場所にこれほどの街が成立している事に意外さを感じる。街の雰囲気も良く、この場所で暮らしてみるのも悪くはないかなと思ったが、そのためには関西弁と関西文化に対する抵抗感を取り除かなければならず、これがなかなか難しそうなので、好感触を持ったとは言え、神戸住まいをする事は金輪際ないだろう。

 174号線は、三ノ宮駅を降りて南方向へまっすぐ歩くと苦もなく見つけられた。一度は走ったはずの2号線に接続する本当に短い国道だ。いろいろ写真を撮ったりもしたが、滞在時間は10分に満たなかった。そのまま駅に戻り、再び電車に乗り込む。大阪まで戻り、梅田から奈良の方を回ってみるのも悪くはないかと思ったが、地理不案内で、どこでどう電車を乗り継いでいけば良いのかがわからなかったので、おとなしく往路を引き返して終わりとした。3月21日、日曜日。前回とは違い休日だったため、帰りの米原駅には人があふれ、そこから名古屋まで、ついに座席に座る事は出来なかった。

 名古屋には、16時頃に着いた。






2回目は神戸 TOP







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