飛龍の件

 この日の日程は、ひとまず田原坂をクリアしたところで、一通り消化したことになる。後は、宿泊地になる長崎まで移動するだけだ。長崎では、原爆資料館をはじめ、もちろん改めて訪ねたいところもいくつかあったのだが、久しぶりに飛龍園のちゃんぽんを食べたいと言うのがあった。時間さえあれば、たかがそれだけの理由のためであっても、交通費を気にせずに移動できるのが18きっぷ旅の良いところだが、鳥栖から長崎を目指す長崎本線は、鈍行旅行者泣かせの路線でもある。何しろ肥前山口から先が良くない。早岐・大村と大村線を経由していくルートが迂遠なのは言うまでもないことだが、長崎本線による有明海沿岸部の移動であっても、各駅ごとに短くて2〜3分、長ければ十数分に及ぶ特急・対向列車待ちが生じるため、とにかくもどかしいこと夥しい。

 長崎駅にたどり着いたのは、田原坂駅を出てから4時間以上も経った20時過ぎのことだった。残念ながら、飛龍園は休業日だった。店先に並ぶ模造品の巨大ちゃんぽん、いわゆる食品サンプルと言うやつである、が薄暗い照明の中に佇んでいるのが物悲しい。一応、長崎駅前の目抜き通りをちょっと裏道に入った立地、近くのビジネスマンなどが主な客層になっており、日曜はお休みと言うことか。過去何度か来た感じでは、いかにも地元の住人と言う感じの客が多かったので、思いもしなかったのだが、事前に休業日すらも把握していなかったのは、全く怠慢以外の何物でもない。結局、近くの別の店でとりあえずちゃんぽんにはありつけたが、店が小奇麗に過ぎるたのが、この際は物足りなかった。

 宿は駅前のAPAホテル。ビジネスホテルの類としては、比較的高位のホテルになるだろうが、日曜の夜と言う客の少なそうなタイミングでの宿泊となった関係か、4000円に満たない低額で泊まることができた。東横に泊まると、普通は5000円程度がかかることを考えれば、4000円での宿泊は格安だが、今回は言ってみれば特別価格。やはり、そこそこ設備の整ったホテルではあるが、定額で泊まることを考えた場合のコストパフォーマンスが優れているかどうかは、一考の余地がある。ただ、これまた日本各地にあるホテルグループに、とりあえずあたりを付けられたので、良しとしよう。




雨はふるふる田原坂 TOP 原爆資料館








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