宇都宮餃子を食べよう

 秋葉原を出て、小金井駅を目指す。東京発宇都宮直通の列車もありそうだったが、本数がさほど多いわけでもなさそうで、とりあえずやってきた電車で、行ける所まで行ってみようかというところだ。ただ、小金井駅で待った挙句にやってくる列車が、つまるところ十数分か数十分後にこの駅を発つ列車なのだろうなと言うのは、うすうす予感していた。

 途中、上中里・王子の駅を通り過ぎる。多少なりとも因縁のある駅だ。飛鳥山にある平塚亭は、知る人ぞ知る(?)団子屋さんで、一度立ち寄ってみたく思うのだが、平日しか営業していないとかで、長期の休みに上京してくるおのぼりさんには、少々縁遠くもある。

 浦和駅ぐらいまでは起きていたのだが、そこから先、うとうとしているうちに埼玉県を通り過ぎてしまった。考えてみれば昨夜は、夜行バスの常で、安眠できたとは言いがたいところがある。一度目を覚ましてから小金井まで、ややあったが、埼玉県を抜けてしまうと、関東とは言えど本当に田舎である。景色が単調で、また眠りに落ちてしまいそうだ。しかしそんな田舎ではあっても、搭乗列車の編成から見て、このあたりから東京に行く人は、かなりの数に登るのだろう。

 小金井で20分近く後続の宇都宮行きを待った後、18時過ぎに宇都宮駅に到着。

 今日の宿は、駅西口にある東横インである。都市規模の小ささもあって、宇都宮駅周辺に使い勝手の良い24時間サウナの類はなさそうだ。そもそもビジネスホテルの選択肢にしてからがさほど多くはない。東京のベッドタウンに過ぎず、完全に独立した経済圏を持っていないから、そもそもビジネスユースの宿泊客が多くないのかもしれない。それはさておき、今回の宿泊プランは、いわゆる素泊まりであったため、外で夕食を摂るか、コンビニなんかで食料を調達する必要がある。

 宇都宮と言えば、餃子の街だ。どうやら伝統的に餃子の名産地だったわけではなく、市民一人当たりの餃子の購入金額だか消費量が日本一だったため、それが町おこしのために利用されたもののようだが、ではなぜ宇都宮と餃子の結びつきが生まれたのかについて、明快に答えを示してくれる資料には今のところ行き当たらない。ある意味では、昨今の軽佻浮薄なB級グルメブームの先駆けと言えるのかもしれないが、この分野のパイオニアである点は、尊いことだと思う。

 ともあれ、餃子ぐらいなら大して値も張らないし、一人でも入りやすい気取らない店も見つかるだろうと思い、全国的に有名な宇都宮餃子を食べて行くことにした。駅を出ると、いきなり餃子の店が数店視界に飛び込んできたが、その中でも一番目だっていた宇都宮餃子館に入ることにした。宇都宮市民は疑問にも思わないことなのかもしれないが、この店は、やはり正真正銘の餃子専門店らしい。餃子の王将ですら「餃子が売りの中華料理店」といったあたりに踏みとどまっているのに、ここのメニューを開くと餃子中心の構成となっており、ラーメンなどと言った通常の主菜は、サイドメニューのごとき扱いを受けている。その代わり、やはり餃子のバリエーションは豊富だ。どれにしようかと悩んでいると、やはり旅行者らしい隣の客が、店員に向かってお勧めの餃子を問い質しているのだが、店員の答えがどうも当を得ない。その様子を見ていて、「これはあまり期待できないかな」と思い、一番のスタンダードとなっているらしい健太餃子と、昔風支那そばをオーダー。やがて出てきたそれぞれを食べてみる。いずれも、大して旨いわけではない。まあさほど期待していたわけではないのだが、これで値段はそこそこするのが残念である。

 近くのコンビニで、軽く夜食を買い、ホテルにチェックイン。今日は、千葉県と言う未知のフロンティアを開拓した点においては有意義ではあったが、千葉自体が突出した観光県でもなく、さほど印象的な出会いがあったわけでもない。そうした中、明日の日光東照宮への期待が高まっていく。







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