■DATA
 経路
  初日:名古屋-姫路 → 姫路-岡山(新幹線利用) → 岡山-備中高梁 → 備中高梁-安来(特急利用) → 荒島-松江 
  18きっぷ利用区間運賃:5760円

  2日目:松江-備中高梁(特急利用) → 備中高梁-播州赤穂 → 播州赤穂-名古屋
  18きっぷ利用区間運賃:8030円

 18きっぷで賄えなかった交通費
  初日 姫路-岡山:3130円(乗車券:1450円, 特急券等:1680円)
      備中高梁-安来:3670円(乗車券:1890円, 特急券等:1780円)
  2日目 松江-備中高梁:3990円(乗車券:2210円, 特急券等:1780円)


 出雲で発見!尼子っち

 東京-名古屋間を2時間とかけず走り抜ける速力。それでいてほとんど無音。広い車内に豪華な内装。18きっぷ旅とは銘打ちながらも、最後は新幹線の力に頼って終わった直江山城紀行。足掛け四日にわたる旅だったが、初日の移動はほとんどなく従って18きっぷを使わず、そして最終日は新幹線を使った関係でこれまた18きっぷを使わなかったので、5回1セットのきっぷのうちで使用したのはわずかに2回分である。'07夏旅はまだ終わっていない。

 そういう事情もあって、次の目的地として白羽の矢を立てたのが山陰方面であった。前々から狙っていた方面である。島根や鳥取などは生まれてこの方行った事がない。反面、山陰は残念なことだが日本国内有数の過疎地でもある。必然的に列車本数は少なくなる。鈍行ならばなおさらだ。18きっぷ旅には厳しいエリアであるのもまた事実。そこへ行くのならあちこちに立ち寄るような旅はあきらめたほうが良い。立ち寄り先はピンポイントで選定する事にした。

 最終目的地は、松江城である。天守閣が現存する城で、宍道湖のほとり、島根県松江市にある。もちろん、宍道湖と言うのも見てみたい。松江市は、山陰では大きな都市なので、宿も比較的押さえやすいと思われた。松江行きを軸に考えると、意外なコースルートが浮上してきた。すなはち岡山(倉敷)から伯備線に入り日本海側の米子まで出た後に山陰本線で松江を目指すコースだ。これまでは京都から山陰本線に入り、日本海沿いに鳥取を経由して行くのが一番無駄が少ないかと思っていたので少々意外な結果と言える。もちろん、京都から姫路辺りまでの山陽本線は新快速が多く行き来しており、鈍行と言えど極めて移動効率が良い。むしろその先のどこかで中国山地を南北に突っ切る必要が出てくるためにそこがネックになるのではないかと考えていた。実際には、伯備線はローカル線ながらそこそこの本数(と言っても1時間に1本程度だが、山陰本線は乗り継ぎのタイミングが悪いとさらに厳しい事になる)が出ているのでうまくすればそれほどの障害とはならなさそうである。

 「伯備線かぁ」と、ロードマップ(昭文社刊マックスマップル)を引っ張り出してきてその軌道を眺め回す。伯は伯耆(旧国名で鳥取県の西半分)の伯、備は備中の備である。伯備線は、岡山の倉敷から北上、気持ち西側にそれながら、鳥取県の米子市を目指す路線だ。経路に当たる地点の紙面は全体的に白っぽい。つまり市街地が発達せず、山ばかりだと言う事だ。色つきの線で表される幹線道路と、モノトーンのJR線路が谷あいを縫いながら盆地と盆地を結んでいる様子が想像できる。

 途中の高梁市には、松江城と同じく名城の誉れも高い備中松山城がある。この城は、比高数百mの山上に天守閣が現存している。四国愛媛県松山市にある松山城と区別するため、頭に「備中」と付けられることが多い。実は伊予松山城も現存天守の城なので、ごく通俗的な考え方をすれば備中松山城も伊予松山城も、史跡としての価値は同程度と言う事になろう。となれば、二つの松山城を比べる時、松山にある松山城をわざわざ伊予松山城と呼ばなければならないのもまだるっこしいので、備中の方が備中松山城と呼ばれているのだと思われる。高梁ではやはり、この山上城郭を単に松山城と呼ぶことが多いようである。かなり話が脱線したが、この備中松山城も観光コースに組み入れよう。城は、伯備線備中高梁駅からも割合と近くにある。

 松江方面に行くならもう一つ、尼子氏ゆかりの月山富田城にも立ち寄りたい。これは、前出二つの城と違って石垣程度しか残されていない城だが、戦国時代、中国地方に一大勢力を築いた尼子氏の本拠地だ。その割にもう一つマイナーな感のある尼子氏だが、山中鹿之助の主筋と言えば通りも良いか。また、大ヒットした映画「八つ墓村」は実を言うと尼子の落ち武者の祟りをモチーフにしている。映画の落ち武者達は毛利氏に追われて後に八つ墓村と呼ばれる事になる山村に落ち伸びたが、このエピソードの通り、尼子氏は後から勃興してきた毛利氏によって滅ぼされている。個人的にはあまり好きではない渥美版「八つ墓村」には、「尼子義孝」なる人物が登場するが、これは架空人物だ。

 行くとしたらこんな所だろうか。漠然と考える。一応旅行ガイドも買ってみたところ、宍道湖のほとりに「宍道湖うさぎ」と言うのがいるらしく、これにも興味を惹かれたが、どの道宍道湖には行く事になる。

 毎度岡山以西に行くたびに辟易していたのだけれど、姫路-岡山間は在来線に普通しかなく、非常に接続が悪い。前回の東北行きで場合によっては新幹線を利用して移動効率を上げるテクニックを覚えたので、今回はくだんの区間を新幹線で移動する事にした。






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