■DATA
 経路
  初日:名古屋-上郡 → 上郡-鳥取(特急利用) → 鳥取-倉吉 → 倉吉-鳥取
  鉄道の日記念きっぷ利用区間運賃:6550円

  2日目:鳥取-京都 → 京都-名古屋
  鉄道の日記念きっぷ利用区間運賃:6090円

 18きっぷで賄えなかった交通費
  初日 上郡-鳥取:2970円(乗車券:1830円, 特急券等:1140円)
  2日目 JRバス乗車券:2000円強,


 鉄道の日記念きっぷ

 最近の私の無茶な乱発旅行を支えているのが、青春18きっぷだ。この場で敢えて説明する必要もないのかもしれないが、春夏冬に発売されるJRの企画切符である。実をいうとJRによる同種の企画きっぷは他にもあって、秋季には鉄道の日記念切符という、18きっぷと似たような効力を持つきっぷが発売される。10月14日が鉄道の日なのだ。新橋-横浜間で日本発の鉄道が運転を開始したのがこの日であるため、そう定められている。きっぷの方は、18きっぷよりちょっと安く、使用回数がちょっと少なく、有効期間もちょっと短いというきっぷである。18きっぷよりは幾分か割高にはなるのだけれど、これが9月末から10月中旬まで販売されるのである。そんなものが発売されるというのなら、買わなければならないではないか。秋と言えば旅のシーズンである。

 行き先はいろいろ考えていた。奈良か兵庫(もしくはその両方)に1日費やして「めぐりあい奈良」。広島山口あたりをベースに1泊程度。城を中心に考えるなら、奈良の高取城、京都の周山城、兵庫の黒井城や八上城などを見て回るのも良い。周山城は一応確定で京都観光と抱き合わせにするつもりでいたが、他が日帰りで行くには厳しいが1泊するには小物という困った状況になった。高取城は近鉄でないとアクセスが不便だという問題もある。

 高野山にも行ってみたいが、気楽に出かけるには向かない物件だ。鈍行で行くとかなり遅い時間の到着となる、遅くなったからと言って宿を求めるには不便と来ている。ことによると宿泊所は宿坊ぐらいしかないのではないか。長らくの懸案である石見銀山は鈍行旅行で行くには遠すぎる。夏の18きっぷ旅でバーソロミュー・ディアスよろしく発見した新幹線をピンポイント利用する新航路(新航法)で一日の移動距離を伸ばし、山口県ぐらいまで行ってみようか。あるいは四国愛媛の線も考えられる。

 などと迷っているうちに、記念きっぷの有効期限は近づいてくる。何しろ消費期限が短いので、限られた休日のうちにさっさと使わなければならないのだけれど、これと言ったプランもないまま体育の日が絡む三連休を迎えてしまった。金曜の深夜になっても目的地が決まらない。漠然と甲信方面への旅行を志向してはいたのだけれど、考えてみれば長野方面はついこの間行ったばかりと言う事もあり腹が決まらない。そうこうするうちに夜が明け、とにかく目的地は動き出してから考えようとして名古屋駅へと向っていたら、あっという間に中央線を行き過ぎてしまった。昔ローマのカエサルは、越えてはいけないルビコン川を越えた時に有名な言葉を残しているが、私の旅も中央線を越えた時に「匙は投げられた」のである。何もかもどうでも良くなって、名古屋駅から西へと向かう列車に乗った。

 とにかく東海道線に乗った。関西線はやめた。岐阜を過ぎ、米原を過ぎ、京都まで過ぎても行き先が決まらない。尼崎の、あの悪夢のようなカーブの横を通り過ぎた時、ふと山陰方面に向おうと思いつき、鳥取へ進むことにした。よく分かっていなかったのだけれど、岡山とも兵庫とも付かないところにある上郡駅から、智頭(ちず)急行なる第3セクターの線路を通って鳥取へ行けるらしい。かつての肥薩おれんじがそうだったように、どうせ智頭急行区間ではJRのフリーきっぷが使えないようなので、毒を食らわば皿までと、「はくと」なるJRの特急に乗る。「はくと」は「白兎」なのだろう。どうやら大阪を発って智頭急行に乗り入れ、米子方面まで行く特急らしい。






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