■DATA
 経路
  初日:名古屋-福山 → 福山-宮島口 → 宮島口桟橋-宮島桟橋 → 宮島桟橋-宮島口桟橋 → 宮島口-広島) 
  初日通常運賃:9780円

  2日目:広島-本郷 → 本郷-三原 → 三原-名古屋
  2日目通常運賃:8440円

 通常時運賃総額(2日間):18220円(途中下車を利用しない場合)


 18きっぷで海を渡れ

 基本、青春18きっぷはJRの鈍行を1日に乗り放題で利用するためのきっぷだ。これには例外があって、普通列車が運行していない区間に関しては18きっぷのみで特急列車に乗る事ができる。このケースを除き、例えば18きっぷに特急券・新幹線特急券を買い足して特急列車に乗るというような使い方は出来ない。特定のシーズンに限り運行されるムーンライト○○という名前の夜行快速があって、これに関しては指定席券を買えば18きっぷで乗車可能というのも知っている。実際、ムーンライトを使って旅した事もあった。

 実は18きっぷには、こうした特例の他にも瑣末なイレギュラーがいくつかは存在しているらしい。今回たまたま知る事になった「宮島航路」もその一つである。これは名前そのまま、JR山陽本線の宮島口駅近くの桟橋から、日本三景の一つである安芸の宮島まで渡るフェリーの事なのだけれど、JR西日本がその一部を運行している関係で、鉄道ではないけれど18きっぷを利用できるというのだ。もっとも、片道の乗船料金は200円にも満たないほどだから、18きっぷで格別お得に乗れるというものでもないのだが、ちょっと変わった18きっぷの使い方をしてみようとばかり、宮島を中心に広島県まで出かけてみることにした。

 名古屋からの在来線だと、始発に乗り込んだとして広島着が14時過ぎになる。これは以前にも18きっぷで広島へ旅行したことがあったので知っていた。現地着14時は、当日まともに観光を楽しむにはギリギリの時間とも言え、その意味では夜行快速を利用しない1泊2日程度の名古屋発18きっぷ旅の西限が広島あたりになる。ただし、途中の岡山県近辺で在来線の流れが悪くなるため、この区間ピンポイントで新幹線移動を考えれば、もう少し効率的な旅行が出来るかもしれない。こういうきっぷの使い方は、今後の18きっぷ旅の課題になってくるだろう。

 さて、宮島が主要目的地の一つとなるのは良いとして、実際には効率よく回ればもう何箇所かを見て回れるだろうか。いやむしろ、目的地が宮島だけだと、時間の使い方としては「帯に短したすきに長し」になりそうだ。そこで、初日の経由地の一つに広島県東部の街・福山市にある福山城を組み込む事にした。復元天守ながら広島県内ではまず立派な部類に入る城らしく、日本100名城の一つにも選ばれている。新幹線も止まる福山駅の目の前にあって、電車旅の立ち寄り先としては実に都合がよさそうだ。

 宮島観光を済ませ、広島で一泊した翌朝は、始発で東に向かい、三原市の本郷駅近くにある新高山城を見学する事にする。戦国時代に小早川隆景が築いた城で、一般的な知名度はさほどでもないが山城としてはまずまずの規模があるらしく、好事家にはたまらない物があるそうだ。余裕があったら同じ三原市の三原駅前にある三原城にも立ち寄っていく。こちらは特に見るほどのものもない、というよりは見るに耐えない状態になっている城らしいが、三原駅からウォークスルー状態になっているようなので、ちょっとした乗り継ぎ待ちの時間つぶしにはちょうど良い。三原は乗り継ぎ駅になる事の多い駅である。

 基本的なプランニングはこんなところだ。なお、2007年3月31日から4月1日にわたる今回の旅は「JR発足20周年 青春18きっぷ」による。基本ルールはいつもの18きっぷと同じで、販売価格のみが発売開始当時と同じ8000円となっている。これを利用可能回数の5で割ると、1回の使用につき1600円分以上の区間を移動すれば元が取れる事になる。当たり前だが、1日で名古屋広島間を移動すれば1600円はあっさり超えてしまう。






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